体験談
癒しの旅路 その5 流れる涙
次に、セラピストCさん(女性 40代くらい)にセッションしていただきました。第一印象として表情がやや暗く、失礼ながら「この人はだいじょうぶなのかな」などと思ってしまいました。
これまでのように、強い自己否定感、人と接することが辛い、失敗ばかり浮かんでしまうマイナス思考などを話しました
暗示型のヒプノセラピーについてはCさんいわく、
「催眠をかけたからといってもポジティブな言葉が深層意識に刻みこまれるとは限りません。むしろマイナス思考の強い人は催眠をかけることによって潜在意識のマイナス思考がより顕著に出てきてイメージングの邪魔をしてしまうので私は行動修正型の催眠はやっていません」
とのことでした。確かにBさんのセッションでは催眠中に
「あなたは今日も自信に満ち溢れ、生き生きと仕事をしています。人間関係も非常に良好です」
などの言葉(暗示)をかけられましたが催眠状態のなかの自分は
「ほんとかな。あの職場でそんな状況なんてイメージできないよ。それにオレがそんなに生き生きとうまくやっていけるはずなんてないよ」
と思っていました。
「催眠状態でポジティブなイメージングを継続的に行い、定着させることができれば現実が変化する 」ということは様々な人が言っており、また抜群に効果があったという人もいろんなところで見るので否定はしません。人によってはかなり有効なのでしょう。
ただ、どうやら今のぼくにはそれだけでは足りないようでした。
そして催眠誘導へ。誘導自体は言葉の使い方こそ微妙に違うけれどBさんとそれほど変わりません。要はリラックスできる環境(森の中など)をイメージし、腕、足などの身体のパーツひとつひとつから力を抜いていくようにするようです。
「何か浮かびますか?」といわれ今日の朝起きた光景、窓から見た景色を話しました。小雨の曇り空がまるで自分の心象風景のようだと。
ふとんで寝ている自分を客観的に見ると休みはおびえながら逃げるように眠り、朝は絶望的な気分で出て行き、かわいそうだと告げました。
さらに自由にイメージを促されたところ、父の顔が浮かびました。そして最後に父と会った場面が思い出されたところで涙腺が緩みはじめました。
父はぼくが反目していた幼少のころより働き続けて自分たちを育て上げた。今でもしっかりと地に足をつけて生きている。それに比べて自分は自分のことすらままならない・・・(ぼくは20歳を過ぎるころまで父との仲が悪かったのです)。
・・・と、たくさんの涙を流しながら告げました。こんなにたくさん涙を流すのは本当に久しぶりでした。
(今後も数多く体験することになりますが、催眠中に涙を流すことは決して珍しくありません。心の深くに押し込めた意識に触れているからでしょうね)
気持ちがたかぶってしまったため、一度間をおきもう一度催眠状態へ。
今度は同じ職場の女性スタッフの顔が浮かびました。先日ぼくがミスをしてピリピリした表情で叱られ、萎縮していた場面を思い出しました。
そんな自分をもう一人の自分が家の布団に連れて帰り「ずっと寝てていいよ」と慰めました。やはりぼくには引きこもりの気があるようです。
その日はそこまでで終わりました。Cさんにはこのスタッフのことが気になると言われました。「深く傷ついているんじゃないですか?」とのことでした。
これが姉に関係したトラウマである、ということに気づくのは もう少し先のことになります。
